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Q【ケウ】 Handmade Games『コルルトの匙悪魔』 (Collte's Spoon Devil)

●公式サイト



僕が本作を知ったのはIndieGames.comDIYGamerでこのゲームの記事を読んだのがきっかけ。
インディーズ・ゲーム界隈は相変わらず日本国内と海外との情報格差が激しくて困る。
(何で日本在住の日本人である僕は日本在住の日本人が日本で作って日本で売る予定のゲームの情報を
 海外のサイトで知らなきゃならないんだ?シュールってもんだろう)



ジャンル分けをするなら、全方位型固定画面シューティングゲーム…長ったらしいな、
海外で「アリーナ・シューター」と呼ばれているタイプのゲームに属するだろうか。
その昔、『CrimsonLand』というエイリアンの大群を銃で撃ちまくって
ひたすら生き残るゲームを遊んでいたが、あんな感じだ。さすがにもうちょっと見た目は牧歌的だけど。

キーボードのWASDで主人公のコルルト(女の子)を操作するが、ちょっと変わっているのが
マウスで操作するのが銃の照準ではなく、もう一人の主人公である匙悪魔(さじあくま)である、ということ。
コルルトも匙悪魔も武器を持っていれば近所の敵を自動的に攻撃する。
倒した敵はお菓子になり、体力の回復や武器のパワーアップに使うことができる。
匙悪魔はやられてしまっても復活可能だが、コルルトがやられてしまうとゲームオーバー。

匙悪魔で敵の攻撃を引き付けてコルルトを守ったり、
体力が減ってしまった匙悪魔をコルルトが盾になりながら回復したり、
武器を持たないコルルトへ匙悪魔の武器を貸し出したり…
目もくらむほどの大軍と二人三脚で戦うコルルトと匙悪魔の様は、見た目以上に戦略的だ。



予想以上に歯ごたえがあり、随分と睡眠時間を削ることになったが、もちろん不満がないわけじゃない。
それは主にステージ間の難易度と武器の性能についてで、
非力な初期武装のみで戦わなければいけない序盤のステージよりも、
強力な武器が手に入る後半のステージのほうが簡単に感じるのだ。
とりわけ難易度をHardにしたときのステージ1などは、敵の第1波の時点で追い詰められてしまうことが多く
行動をかなり最適化しないと攻略できなかった。

ただ、このゲームのエンディングシーンは、そうした不満を押しとどめ、
あまりにも”ゲーム的な”凝り固まった物の見方をしている僕を黙らせるには十分すぎるものでもあった。

「損はさせたくない」という作者氏からアップデートを用意する旨の発言があったが、
「過剰な飾りつけは避けてほしい」というのが、僕のわがままな本心だ。

ささやかなゲームがあったって、いいじゃないか。

ケーキのろうそくに小さな火が灯ったとき、そんなことを思ったのだ。



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